【インハイ福島予選決勝】帝京安積GK高橋大樹、尚志との激闘を支えた数々のセーブとゴールマウスで見せた誇り

インターハイ福島予選

■立ち上がりの電光石火と、試練の同点劇。試される守護神の対応力

全国への切符をかけた大一番、帝京安積は試合開始わずか5分に先制ゴールを奪う最高の立ち上がりを見せる。しかし、ここから王者・尚志の猛烈な反撃が始まり、前半14分には同点ゴールを許す展開となった。開始早々に試合が振り出しに戻る目まぐるしい攻防のなかで、帝京安積のゴールマウスを守るGK 高橋大樹(FC古河)は、冷静に戦況を見つめていた。同点としたことで完全に勢いに乗った尚志は、左右からの鋭いクロスやバイタルエリアからのミドルシュートなど、厚みのある攻撃で波状攻撃を仕掛けてくる。一瞬の判断ミスが失点に直結する緊迫した時間帯のなか、高橋は最後方からの的確なコーチングでディフェンスラインを統率し、王者の逆転ゴールを許さない。

■後半26分の勝ち越しを許すも崩れず。追加点を阻み続けた「最後の砦」

後半に入っても尚志の猛攻は続いた。後半26分に一瞬の隙を突かれて勝ち越しゴールを奪われ、帝京安積は1点のビハインドを負う苦しい展開へと追い込まれる。逆転に沸き立ち、さらに畳みかけようとする尚志の前に立ちはだかったのが、背番号1を背負う高橋だった。誰もが決定決定機だと思った至近距離からの鋭いシュートに対しては、驚異的な反射神経でブロック。さらに、枠を捉えた際どいコースへの一撃にも、手足をいっぱいに伸ばした決死のセービングで弾き出す。これ以上の追加点は絶対に与えないという守護神の肉薄したセービングが最小点差を維持し続けたからこそ、前線の反撃の気力は削がれなかった。チームは試合終了間際に劇的な同点ゴールを突き刺し、2-2で土壇場での延長戦、そして運命のPK戦へと望みをつなぐこととなった。

■1本をストップした心理戦、サドンデスの死闘。ゴールマウスに漂う緊迫感

100分間の激闘を経ても決着はつかず、全国への切符はPK戦へと委ねられた。1人が外せばそこで終わるかもしれないプレッシャーの中、両チームのキッカーが次々と成功させていく。

サドンデスへと突入した壮絶なPK戦。ゴール内で膝をつき、静かに集中を高める帝京安積の守護神・高橋大樹。

この極限の心理戦において、高橋は尚志キッカーのシュートを1本見事にストップ。王者のプレッシャーに怯むことなく、自らのセービングでチームに流れを引き寄せ、ゴールマウスで確かな存在感を示した。結果は8-9。わずかに一歩及ばなかったものの、試合開始5分の先制劇、15分の同点劇、後半26分の失点から終了間際の劇的同点劇、そしてPK戦での価値ある1本ストップに至るまで、彼が最後方で見せた圧巻のパフォーマンスと佇まいは、この激闘を象徴するものだった。

Photo/Text : FOOTBALL PHOTO PRESS/Mie Ayuzawa

コメント

タイトルとURLをコピーしました